真宗門徒のお盆について

仏法に忌みということなし。世間のあるべきように(法然聖人)

〜真宗門徒のお盆〜
真宗ではお盆を歓喜会(かんぎえ)といい、亡き人を通して仏さまの教えに出遇わせていただく尊い仏縁と考えています。お盆の行事は「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)」というお経がもととなっており、命の尊さや欲を離れた施しの大切さを教えてくれるものです。
しかし、一般的には盂蘭盆経にはない迷信的・俗信的な考えがはびこっておりますので、世間で言われているお盆に対する考えの間違いを指摘し、浄土真宗の正しいお盆の迎え方をお知らせいたします。

間1「お盆は亡くなられた方が年に一度帰ってくる」
よくキュウリで馬を作り【馬に乗ってはよこっちに帰ってこい】、ナスで牛を作る【牛に乗ってゆっくりあの世へ帰れ】という風習を見ます。おもてなしのこころとしてはわからないことはありませんが、「正月も帰ってこいよ」と言いたくなるものです。
何故、お盆の時だけ帰るのでしょう?なにかしっくりときません。時間や空間(場所)や形を超えた真実のはたらき(仏)となり目には見えないけれど、常に私を包み込んでいてくださっている。そう考えてみてはいかがでしょう。

間2「派手な提灯を買ったり、精霊棚を作った方がいいですよね」
お盆だからといってお仏壇や家の中に華美な飾りを必要としません。「お盆の雰囲気を味わうため提灯を飾ります」というのは問題ないのですが、「先祖が迷うから提灯で明るくしましょう」「おじいちゃん方向音痴だったから我が家の目印に家紋もいれましょう」となっては教えの上からはちょっと微妙です(※問い1参照)一般の法事と同じように菓子や果物といった供物をお仏壇にお供えし、お花やローソクを用意すれば立派なお飾りです。
仏事は亡くなった方に頂いた尊い御縁なのです。僧侶と一緒にお勤めをしたり、自らの生の意味をもう一度考えたり…形だけにとらわれるのではなく、仏法に触れるような過ごし方をしていただきたいと思います。

問3「私はいいのですが親戚から『何もしてない。手を抜いた』と言われるのは我慢できません」
「本願寺から出版している本やお寺さんの言う通りにしても親戚の長老から『ああしろ、こうしろと指図されます』」という悩みを相談されることもしばしばあります。地域の風習や俗信、家の伝統を簡単に否定するわけにはいきませんから難しいところです。そういう時は迷わず「御寺さんがこうしなさいっていったもん!」とお寺のせいにして自らの方針を貫きましょう!
※人間関係の崩壊に御注意

問4「だんごや酒、タバコを供えるのはどうでしょう?」
「だんご」の場合、お仏飯と同じように命の恵みという意味で供えるのは問題ないと思います。亡くなった方が食べるという意味ではありませんので御注意を。たばこや酒のような酒肴品は浄土の荘厳としてはふさわしくないのでできるだけ避けましょう。

お盆については地域の風習や決まり、仏教の思想、家で代々伝わってきたやり方、様々なものが入り混じってますので簡単に「これはいい。これはダメ」と言うのは難しいのが現状です。ここに書いてあることを基本にしていただければ嬉しく思います。

(平成21年 8月7日 担当:永照寺住職 村上 慈顕)

●いのちの歓喜(よろこび)【2010年 よろこび「お盆号」掲載】はこちら

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