浄土真宗本願寺派 小倉御坊 永照寺
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今月の法話

今月の法話:2013年9月

長月

お彼岸〜西に沈む太陽を拝みながら〜

お彼岸。皆様はどのようにお過ごしだろうか?
沈む太陽と西方浄土を重ねながら、悟りの世界を思い描く(日想観)に没頭するもよし。「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智慧」の六波羅蜜の行に精を出すもよし。『六波羅蜜なんて到底できません。日々パッパラミツな生活をしています』という声も聞こえてきそうだが、9月19日と20日、上毛組のK寺様に出講してきた。K寺様は祖祖母の里であり、私にとってルーツのお寺。

 

山を借景に用いた風光明美な境内。その中心に雄々しく建つ、本堂。つい最近も、鹿が池にハマっていたというのだから驚きだ。コンクリートジャングル大手町に比べれば気温も2、3度違う。このお寺で、祖祖母は育ったのだ。この蝉の声を聴きながら。木々の囁きを子守唄にして。

亡くなる前、祖祖母は、夜中巡回に来てくれる看護婦さんに「猿が来た」と言っていた。猿顔の看護師。サルズラナース。ナースときどき猿そういうことなのか?いや違う。幼い時代の思い出が脳裏に浮かびあがったのだろう。やはり思いだすのは故郷の猿。故郷の香り、故郷の味。

人間には帰巣本能がある。パンツ一枚でくつろげる場所。ある意味聖域!そんな場所があるからこそ今、戦っていける。旅行はものすごく楽しい。最高だ。しかし、毎日パクチーを食べながら生活したくない。

「西」という字の「□」は、巣「一」は羽をたたんだ鳥の身体「儿」は鳥の足を表している。鳥が巣に帰って羽根を休めている状態を表現しているのだろう。つまり「安心して帰ることが出来る場所」仏さまが「西」という「方向」を示してくださることを有難く感じるのだった。

(平成25年9月の法話 担当:村上 慈顕)


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