浄土真宗本願寺派 小倉御坊 永照寺
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お寺の掲示板

お寺の掲示板:2021年3月

弥生

何事も あらざりしごと 海のあり
かの大波は 何にてありし

今月のことばは、美智子上皇后さま、平成24年1月発表の御歌です。

3月11日は、平成23年発生の東日本大震災から10年になります。
あの津波の映像は、10年経っても鮮明に憶えていますが、
静かでゆったりとした海を見ていると、あの津波が嘘のように思えます。

親鸞聖人は、著された書物の中で「海」という字を沢山用いています。
親鸞聖人の「海」の使い方には、衆生(人間)の相を表す場合と、
法(阿弥陀仏のはたらき)を表す場合とがあります。御歌の大波と静かな海のように。

衆生(人間)の相を表す場合は、
難度海・群生海・衆生海・生死海・無明海・煩悩海などの表現があります。
『教行信証』総序の御文に「難思の弘誓は難度海を度する大船」
阿弥陀様の教えを大きな船に喩え、もろもろの禍の波を乗り越えて、
難度海を渡っていくことができると記されています。

また、法(阿弥陀仏のはたらき)を表す場合は、
一乗海・大智願海・功徳大宝海・慈悲海・信心海・誓願海・真如海などの表現があります。
果てしない悩み、苦しみ、悲しみを摂めとっていく、阿弥陀様の広大なお徳を、
同じ海のお喩えで示されています。
「大悲の願船に乗じて光明の広海に浮びぬれば 至徳の風静かに 衆禍の波転ず」
(『教行信証』行巻)

悲しみも
包みこむごと
釜石の
海は静かに
水たたえたり
(平成26年歌会始・雅子皇后)


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