
ひと晩に咲かせてみむと梅の鉢を
火に焙りしが咲かざりしかな
今月の言葉は、石川啄木さん(1886~1912)の短歌です。
梅の花を咲かせようと、一晩、温かい部屋に入れてみたが、梅の花は咲かなかった。
花は咲く縁が集まって咲き、散る縁が集まって散っていきます。どんなに花を咲かせたいと思っても、花の咲く縁が整わなければ、花開くことはありませんし、逆に、いつまでも咲いて欲しいと願っても、散る縁が集まれば、花は散っていきます。私の「いのち」も同じです。
愛しい人と、いつまでも一緒にいたいと思っても、別れのご縁が集まれば、愛しいものとも別れていかなければなりません。
いただいた「いのち」は
- 一度かぎりの「いのち」
- 他の人と代わることのできない「いのち」
- 必ず終わりのある「いのち」
- その終わりが、いつ来るかわからない「いのち」
その「いのち」を、どう生きていくのか、不安に過ごすのでなく、安心して過ごす道は、いただいた「いのち」、阿弥陀様の願いに包まれ、精いっぱい生き抜いて、いのち尽きた時には、必ず仏として迎えとられる、南無阿弥陀仏のご縁の中に過ごさせていただきますと、善智識の先輩方がお示しくださっています。
2月7日は、仏教婦人会の設立に力を尽くされた、九條武子様(1887~1928)のご命日「如月忌」です。武子様は、本願寺22代御門主「大谷光瑞」師の妹で、たくさんの短歌を残されています。
その中から一首、
見ずや君
明日は散りなん 花だにも
力の限り ひとときを咲く
(武子)
(令和2年2月の掲示板)