山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く
春夏秋冬 あしたもよろし ゆふべもよろし
今月のことばは、種田山頭火さん(1882~1940)です。
コロナウイルスに翻弄された一年でした。
色々な事が延期や中止になり、ついつい愚痴や不平のことばがでてきます。
しかし、一面、大事なものや、不要なものを知らされた一年でした。
人生には、色々な出来事があり、その都度、喜んだり、悲しんだりの日々です。
私にふりかかる出来事を、自分の都合でとらえて、自分の思いにかなえば幸せ、
思い通りにならなければ不幸だと考えますが、
このような幸福感は「老・病・死」という事実にであうといきづまります。
雨が降ったら、雨音を楽しむように、老いも、病も、出会いも、別れも、
受け止めていける智慧をいただくならば、愚痴や不平も少なくなることでしょう。
愚痴や不平不満いっぱいの私を見抜き、
南無阿弥陀仏の声の仏となって、私を摂めとっていくのが、
南無阿弥陀仏のはたらきです。
木村無相さん(1904~1983)は、
「ご縁 ご縁 みなご縁 困ったことも みなご縁 ナムアミダブツにあうご縁」
と味わっています。
自分の思いを中心とするのでなく、
大きな命の中に生かされている自分の本当の姿に目覚めると、
生かされていること、摂めとられていることの安心・喜びが与えられます。
多くのご縁によって生かされている自分の姿に気づいた時、
何事もご縁でありましたと、不都合な事実も受け入れていく人生が開かれます。
(令和2年12月の掲示板)