果汁100% 精進70%
佛祖
の加護と皆様の恩恵により、新しい年を迎えることが出来た。今年はなんと馬年ではないか。私の年だ。馬面に磨きをかけたいところである。今年は住職継職という人生の節目なので、走らねばならない。動かねばならない。書いておきながらなんだが、「走らねばならない」「動かねばならない」の「ならない」が曲者なのだ。
自衛隊のメンタル教官 下園壮太さんがその著書の中に、100点でも駄目、80点でも駄目、70点をとり続けること。とあった。頑張って変革しようとすると元の自分がブレーキをかけてしまうというのだ。
パーリ語経典の律蔵・けん（牛偏に健）度・大品（マハーヴァッガ）の中に出てくるお話。ソーナはどんなに精進しても悟りに近づけず焦燥感・絶望感を募らせていたという。そのソーナに対してお釈迦さまは「琴の弦は、締め過ぎても、緩め過ぎても、いい音は出ない。程よく締められてこそいい音が出る」と説法されている。
これは中道を表す有名なお説教だが、自らの生活にあてはめて考えるとぞっとする。本当、緩んだり、締めすぎたり、壊したり（笑）ろくな音が奏でられない。よい人生の音色を鳴らすことができるよう、今年も頑張る…いや70パーセントで行くぞ。
(平成26年1月の法話 担当：村上 慈顕)
