晴れの日は枝が伸びる 雨の日は根が伸びる
6月は「水無月」水が無い月ではなく、「無は之」「水の月」ということで「梅雨」雨の多い月になります。5月、6月は草もよく生えます。「草取り」は苦になり、「癇癪」も起きます。「草取り」(くさとり)の「く」(苦)を除けば「さとり」が残る。「かんしゃく」の「く」を除けば「かんしゃ」が残る。なかなか、そんな境地には至りません。
雨の季節、洗濯物が乾かないと嘆く人もいます。雨が降らねば、田んぼの水当てができぬと心配する方もいます。雨も晴天も、その人のおかれている環境で、よかったり、悪かったりです。
今月の言葉は、よかったり、悪かったりの、よいところだけを見ていくことばです。
親鸞聖人は、35歳の時、念仏禁止の流罪で、師匠法然様は「土佐の国」、親鸞様は「越後の国」に流されています。
その時の様子を『御伝抄』には
「大師聖人 源空(法然) もし流刑に処せられたまはずは、われまた配所におもむかんや。もし配所におもむかずんば、なにによりてか辺鄙の群類を化せん。これなほ師教の恩致なり。」
流罪にあったら、流されたところで、そこに暮らす人々に念仏の教えを伝えよう、と「流罪」を、仏法を弘めるご縁として受け止めています。
お念仏の教えをよろこんだ、北陸の木村無相さん(1904~1984)のことばです。
「ご縁、ご縁、みなご縁、
困ったことも またご縁
南無阿弥陀仏に あうご縁」
「晴れの日は枝が伸びる
雨の日は根が伸びる」
「人生に無駄はない」
「梅雨もコロナも
南無阿弥陀仏に あうご縁」
(令和2年6月の掲示板)