浄土真宗本願寺派 小倉御坊 永照寺
永照寺
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お寺の掲示板

お寺の掲示板:2021年4月

卯月

ありがたし 今日の一日も わが命
めぐみたまへり 天と地と人と

今月のことばは、佐々木信綱さん(1872~1963)が、亡くなる少し前に詠んだものです。

佐々木さんは、本願寺派仏教婦人会の創設者、九條武子さんの短歌の師匠です。
春には、さまざまな草花が、芽を吹き、花を咲かせます。
温度、水、太陽等の恵みの条件が整い、芽を吹き、花を咲かせます。
私の「いのち」も、天地の恵みと、人のご縁の中に生かされ、生きています。

長崎名物「カステラ」の老舗では、毎年5月に「卵供養」の法要を勤修しているそうです。
カステラを作るには、多くの鶏卵が使用されます。その卵にやどる「いのち」を想い、
その「いのち」をいただくことの「感謝」と「懺悔」の気持ちでお勤めする法要です。

農村部の浄土真宗の寺院では、田植えが一段落した頃に
「皆作法要」(かいさく)が勤修されています。
「皆作法要」は「泥落とし法要」「無縁・虫供養(むえん・むしくよう)」とも言われ、
浄土真宗では「永代経法要」の法要名で行うこともあります。

農作業は多くの生きもののいのちを奪う作業であり、
そのため田植えを終えての法座を俗に「虫供養」と言い習わしてきたのでしょう。
「無縁」という言葉も、縁が無いということだけでなく、
自分が生きていることについて本当は生かされているのであり、
親兄弟といった有縁の人々だけでなく、
「無量」のご「縁」をいただいている「無縁」と味わうこともできます。

農作業を終え、単に骨休めするだけでなく、
法要を営むことで仏法を聴聞し、自然の恵みや「いのち」を思いやる…
先人の奥ゆかしさ、智恵の豊かさが思われます。


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