一言に
込める願いや
息白し
今月のことばは、島根県の青年僧侶、能美顕之さん(1977~ )の句です。
この句とは、直接の関係はありませんが、
平成25年の鹿児島市教育委員会発行の「こころの言の葉」第11集に収められていた
『心の中で』という題の文から
『毎朝、「早く起きなさい」から始まって、一日に何回しかられるだろう。
「聞いているの?あんたみたいに、毎日注意される子、いないかもよ」という母に
「いちいち、うるさい。私、いま反抗期」と口答えした。
「ああ、そうね。あんたが反抗期なら、私は更年期」
と母が応戦してきた時は、思わず笑ってしまった。
この頃は、面倒くさがり、うるさがり、だんまり、そんな繰り返し。
生まれる前から、私に障害があることを聞かされていた母は、
どんな思いで私を産み、育ててきたのだろう。
そして、今はどう思っているのだろう。
小さい頃のように素直になれたら、もっと楽なのに。
「ごめんなさい」母の背中に、心の中でそっとつぶやく。』
寒い季節、「ごめんなさい」が口にでたときは、
「ごめんなさい」の一言に込められた、あたたかな気持ちが、
白い息になることでしょう。
「南無阿弥陀仏」は「われにまかせよ、そのまま救う」
阿弥陀様のおよび声、南無阿弥陀仏の六字にこめられた、
願いの深さ、尊さを味わっています。