悲しみの 出来事ありて またひとつ
テロップで知る その町の名を
今月のことばは、堺市在住の林龍三(1952~ )さんの短歌からです。
ロシアのウクライナ侵攻のニュース映像を見て、深い悲しみを覚えます。
永照寺18世住職、村上西忍は、昭和20年10月20日、
マライ、ペラ州のサラクノース野戦病院でパラチフスで亡くなっています。
遺骨はなく、戦友の方が戦後サラクノースを訪れ、
現地の「石」を届けてくださったということを、
18世坊守から聞いています。(現在の住職は21世)
相田みつをさん(1924~1991)のことば
ああ 今年も
ひぐらしが 鳴きだした
ひぐらしの声は
若くして戦争で死んだ
二人のあんちゃんの声だ
そして、
二人のあんちゃんの名を
死ぬまで呼び続けていた
悲しい母の声だ
そして、
二人のあんちゃんのことには
ひとこともふれず
だまって死んでいった
さびしい父の声だ
どんな理屈をつけても
戦争はいやだな
肉親二人を
わたしは
戦争で失っているから
ウクライナの死者にも、ロシアの死者にも、
親あり、子あり、同胞あり。
やはり、戦争はいやです。