ともかくも
あなたまかせの
としのくれ
12月のことばは、浄土真宗の家に生まれ、念仏者としても知られる、
小林一茶さん(1763~1828)の句です。
あなたまかせの、あなたは「阿弥陀様」のことを指しています。
一茶は51歳で結婚。
長男が生まれますが、生後すぐに病死、
次に生まれた長女も、一年で病死します。
その年の暮れに詠まれたのが、この句です。
その後に恵まれた二人の子供も夭折し、
妻にも先立たれ、中風の発作を繰り返し、
晩年には自宅を火事で焼失するなど、
思い通りにならない人生でした。
思い通りにいかない人生のなかで、
浄土へ生まれ仏様となった我が子と一緒に
私を見護り、導いてくださる阿弥陀様の教えに、
どんな苦しみにであっても、どんな悲しみにであっても、
生きる力を恵まれる姿を、この句から味わいます
今年もまた、多くの大切な方との別れのご縁がありました。
これまでの導きと御恩に感謝しつつ、
たえず、倦むことなく、私を導き、照らし続けてくださる阿弥陀様とともに、
新年を迎えましょう。
【中風】…現在では脳卒中の後遺症である
半身不随、言語障害、手足の麻痺などを指す。