窓あけて
窓いっぱいの
春
今月のことばは、種田山頭火(1882~1940)さんです。
春になると、身も心も軽やかになります。
窓を開けなくても春は来ているのですが、
冬の間は寒くて窓をあけることは少なく、
あたたかくなり窓をあけると、
外の風景、空気に、より強く春を感じます。
春の光とぬくもりによってさまざまないのちが芽吹いていきます。
お正信偈に「大悲無倦常照我」阿弥陀様の大悲に、
常に照らされ、摂めとられている私ですが、
そのことに気づかぬばかりか、背く毎日の日暮しです。
まさに「心の窓」が閉ざされている状態です。
九條武子(1887~1928)さんは
「抱かれてありともしらず愚かにもわれ反抗すおおいなる御手に」
と詠まれています。
春は厳しい冬の中に育まれ、よろこびは悲しみの中に育つ…
自らの「老・病・死」そして「大切な方との別れ」のご縁を通して、
阿弥陀様のお慈悲をよろこんでいます。
春風の
扉ひらけば
南無阿弥陀仏
(山頭火)