浄土真宗本願寺派 小倉御坊 永照寺
永照寺
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仏事について

仏事について

永照寺の仏事について

お袈裟とは?

お袈裟について

その昔お釈迦様に深く帰依していたビンビサーラ王という人がいました。
ある時、象に乗って道を通っていると、向こうから僧侶が歩いてくるのを目にしました。わざわざ象から降りて、丁寧にお辞儀をしました。
するとその僧侶はお釈迦様の弟子ではなくバラモン僧でした。この経験を経てビンビサーラ王は「これは良くない。何とかして仏弟子とそうでない人との区別が一目で分かるようにならないものか」と、お釈迦様の所に行って服制を定められるようお願いしたのです。
すると、お釈迦様は傍にいた阿難尊者をかえりみながら、水田を眺めて、「あのようにするが良いであろう」と言われたそうです。水田に種をまけば実りがあるように、法の種をまけば福徳の実りがあるとの教えです。そのため袈裟のことを福田衣とも田相衣ともいうのです。

ある日のこと、仏弟子たちが、いつものように説法をして村の家々をまわっていたときのことです。ある貧しい家で、
「たいへん良いお話を聞き、生きる希望が湧いてきました。しかし、ご覧の通り、私の家は貧乏で、お坊様にさしあげる物は何一つありません。差し上げられる物といえば、赤ん坊のおしめに使っているこの布ぐらいです」洗ってはあるものの、赤ん坊の糞に汚れて、黄色くなっている布でした。
僧侶は尊い布施として受け取りました。

このようにして集まった布を寄せ集め、つぎはぎだらけの着衣を作って着ていたのです。このような衣を糞掃衣(ふんぞうえ)と呼びます。僧侶にお礼をすることを「御布施」といいます。字は「布を施す」と書きます。金施でなく布施と言う字を当てる理由も、このような話が影響を持っているのかもしれませんね。

▲黄色の衣をまとい托鉢をしている様子(タイ)

お袈裟にもいろいろと種類があるのですか?
輪袈裟とは

輪袈裟は、僧侶が首に掛ける袈裟の一種で、日常的な法務の時に用います。形状に2種あり、畳輪袈裟と言って一枚の大きな布を幅6センチほどに折りたたんで輪にしたものと、略輪袈裟と言って表生地を二つ折りにしたものとがあります。


輪袈裟のはじまり

インドの気候には、雨期と乾期の二つの季節がありました。雨期には、大切な袈裟(三衣)を路地の泥水で汚さないために細かく畳んで輪のように結び、これを首に掛けて歩いていました。つまり便宜上の風習だったのです。


ご門徒さんは門徒式章

得度をして僧侶になると仏弟子の証に、袈裟をつけます。得度をしていない人でも、袈裟に代わる物として「門徒式章」を着用します。

式章は、僧侶が法要儀式を勤めるため仏様の前に出るとき、法衣、袈裟で正装するのと同様、門信徒の皆様が仏様の前に出るときの正装にもちいます。それは、浄土真宗の門信徒であると言う自覚とその現れです。念珠を持ち、門徒式章をかけることが、浄土真宗本願寺派(お西)の門信徒における正式な服装と定められています。

法座、法要、法事、通夜、葬儀等へお参りされる時には、聖典(お経本)、念珠、門徒式章を持って行きましょう。門徒式章は、聖典(お経本)や念珠と同様に大切な法具ですから、つねに丁寧に取り扱い、畳の上や床の上など、歩行の場所に直接置かないよう心がけましょう。

  • ▲輪袈裟
  • ▲門徒式章

七条袈裟

写真のお袈裟は「七条袈裟」といいます。横に七枚の布を継ぎ合わせてあります。前回、お袈裟のことを福田衣とも呼ぶと説明したようによく見ると田んぼのようですね。

普通、お葬式の導師が着用しますし、大事な儀式の場合にも着用します。背中に垂れ下がっている組み紐を「修多羅」といいます。修多羅とは梵語スートラの音写でお経・縦糸を表します。

▲七条袈裟


五条袈裟

ご法事等では「五条袈裟」という、横に五列の布を縫い合わせた袈裟を着用します。五条袈裟は幅広い布(大威儀)を左肩に架けて、胸の周りに袈裟を巻きつけます。この袈裟の両端には細い紐があって、これを「小威儀」といい、結んで筒状にします。この幅広の肩紐で袈裟の位置が変わります。身なりを整え、おもおもしい態度をとる。という意味を持つ「威儀を正す」という言葉もここから生まれたものと推測できます。

  • ▲向かって左(前住職着用)が七条袈裟、
     
    右(現住職着用)が五条袈裟
  • ▲五条袈裟

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